1日24時間の過ごし方を総務庁やNHKや他の機関などで調査して分析しています。以下の表のように総務庁の生活時間調査の行動分析では、大きく三つに分類しています。
【必需時間】 睡眠・食事・入浴・身の周りの用事など、
【拘束時間】 仕事・学業・家事・移動時間など生活活動に従事している時間
【自由時間】 家族との会話や友人との交際、テレビやネット、新聞、読書、休息など。
24時間を大きく分けて3つですが、もっと行動を細かく、30~項目に分類してあります。
男女の行動別生活時間(総務庁平成18年、23年)
時間を家計簿のように考えてみましょう。
1日24時間のなかから、睡眠と仕事、〇〇を差し引くと何時間残りますか?
3時間? 4時間? もしかして、1時間の人もいるかもしれません。
たとえば月給から、毎月決まって出ていくおカネがありますよね。家賃、ローン、教育費・・・・これらを引くとどれだけのおカネが残るでしょか? 残った金額が自由裁量金ということになります。
3万円でしようか?
2万円でしようか?
そうすると、3万円をどのように使うか、2万円をどのように使うか・・・。
時間の使い方も家計のやりくり考え方は同じです。
必要時間、拘束時間、自由時間
3つの時間をどのように配分しているか?
節約しているのにおカネが貯まらないという人もいますよね。時間もムダをしているわけでないのに、時間が足りないという人もいます。
おカネはレシートがありますが、時間はレシートがありません。時間は目に見えません。おカネは使わなければ貯まりますが、時間は使わなくても過ぎていきます。
さて、必需行動も拘束行動も自由行動も、夜の就寝以外は誰かと時間を共有しています。(子どもの小さい母親は就寝も子どもと時間を共有します)
とすると、ほんとうに24時間を自分が使っているのだろうか?
ここに疑いを抱いて、その秘密を明らかにしたのが時間簿です。
時間も家計簿のようにつけるとこうなります
見本1 家計簿のような時間簿
見本2 「時油時間」の項目をつくる
見本3 |家事・育児」の項目をつくる
時間をこのようにしてつけると、ある程度時間支出がわかると思います。
そこで、私の言いたいことは主婦の時間は3つに分けることは不可能です。
なぜなら、主婦は家族と時間を共有して使っているからです。
総務庁の時間調査には「時間の共有」がありません。
何をして時間をどれだけ使ったか、行動時間をひとつひとつ、睡眠に〇分、食事に〇分、仕事に〇分、家事に〇分と計って合計したのが総務庁の時間です。
時間は足し算ではありません。
総務庁の24時間の内訳を3つの行動項目をつかって、一日の時間の流れを書いてみます。
「必需行動」 私は朝7時に起きて、顔を洗いました。
「拘束行動」朝食の支度をして弁当をつくりました。それから夫と子どもを起こしました。
「必需行動 」8時に家族4人で朝食をしました。
「拘束行動」子どもたちの登園と登校の身支度を手伝いました。
「拘束行動」9時に出勤しました。移動→会社で仕事→12時に昼食→仕事→17時退社→移動→16時30分帰宅→家事→子どもたちのお稽古→夕食の支度→19時夕食→20時30入浴→夫の帰宅→夕食→就寝。
時間簿の考えは、
身支度をしながら子どもの世話をするのは、必需行動か拘束行動か、夜、布団の中で子どもに授乳するのは、母親の睡眠時間になるのか育児の時間になるのか?
「拘束行動」は「ながら家事」「ながら育児」の時間はどのようにして計ったのだろうか?
「自由行動」 〇分?
「自由行動」とは?
電車の中でスマホを見る、歩きながらイヤホンで話す、英語の勉強をするは、どの時間に属するのか・・・総務庁では、移動・通勤時間になります。
表でみると、総務庁の自由行動は6.16分です。全国の平均なので、実際はどうなのでしょうか。
時間簿を使って子どもの年齢が0歳から19歳の母親208人を対象に自由行動時間を調査したことがあります。子どもが小さいほど自由時間は0分から30分です。
0分というのは、ごはんを食べている時間も顔を洗っている時間もありません。これは実際に時間簿に現われています。ほとんどの母親が自分時間をつくれるようになるのは、子どもが幼稚園に行くようになってからです。
ここであなたに知っていただきたいことは、行動は時間だということです。
行動しているのは、あなたの身体だということです。
コロナの時代を幸せに生きるために、ここはしっかりおさえてください。
重要なことなので、「行動は時間、身体が行動する」についてくわしく書きます。
子どもの作文風に書きます。
ぼくは朝7時に起きて、顔を洗いました。朝ごはんを食べました。歯を磨きました。着替えをしました。マスクをしました。8時に家をでました。
「顔を洗う」「朝の食事をする」「着替えをする」をひとつひとつ、主語+動詞にすると、
私は顔を洗います。
私は朝ご飯を食べます
私は着替えをします。
私はマスクをします
ぼくの身体が行動して時間が過ぎていきます。
ぼくの身体が行動して時間が過ぎていきます。
行動をして「できごと」がつくられる、このできごとが時間です。
小さなできことがいくつもつながって1時間、午前の時間、午後の時間になります。
動詞+動詞+動詞(あくびをする)+動詞の連続が24時間です。 子どもの世話をしながらの時間も含まれます。ベビーはママと一心同体で、時間を分けて測ることができません。
時間管理以前に時間の常識
時間管理と一口にいっても、受験のための勉強の時間管理と、組織で働く仕事の時間管理と、家族の世話をする主婦の時間管理は違います。
- 時間はすべてに公平である
- 時間は一直線に流れている
ふつうに考えればそうですが、実は、主婦の時間はそうではないようです。
ここに疑いを抱いて、その秘密を明らかにしたのが時間簿です。
時間は一直線? 重層に流れている
わたしたちは毎日、朝から晩まで人とかかわり
あっています、当たり前のことですが。でも当たり前すぎて気がつかなかった時間が、実はいろんな人とからみあっています。
高速道路を走るように「他者」と時間を共にしている。時間簿の形になったときにほんとうに時間管理がしっくりとおさまりました。
わたしがさんざん言いつづけていることは「時間の共有」です。
おうちの時間は列車の時刻表のように一本線ではありません。
24時間だと思っている間は時間をうくま使えません。
だからこそ、需要行動、拘束行動、自由行動の3つを意識してください。
おカネを使うとき、これは食費、これは固定費、これは交際費かな、こづかいかな???と考えるときがあります。まあ、いいか、これはわが家の必要経費にしょうと・・・。
本 当に使える時間は一日どのぐらいあるのか、いちど時間簿をつけて見直してみるといいでしよう。 いちどつけただけで、時間を何にどのように使っているかわかります。
時間を3つに分けられないことがたくさんあります。それに気づいてください。
もしかして、本当に時間がないのかもしれません。